ほくろが自然にぽろっと取れたときと、自分でいじっていたら取れたときについてリサーチしました。
調査の結果、「ほくろを自分で取っちゃおう!」と考えるのはかなり危険なことが判明・・・!
詳しくは、記事の後半の「自分でほくろを取ってもいい?」の項目でご紹介しています。ぜひご覧ください。
ほくろが自然に取れた?考えられる原因
ほくろが自然にポロッと取れた原因は、
- ターンオーバーでほくろの細胞がはがれた
- 取れたのはほくろじゃなくシミだった
ことが考えられます。
ターンオーバーによる排出
ほくろが取れた原因としてもっとも考えられるのは、お肌のターンオーバーによって、ほくろの細胞がポロッと取れたということです。
皮膚科の専門医も、このようにおっしゃっています。
ほくろの原因となる色素が皮膚の表皮にたまっているだけなので、それが削れてしまったり、新陳代謝により排出されたときに取れてしまうことがあります。
PICO Beauty Clinic 長谷川院長
ほくろが取れるイメージを、イラストつきで簡単に説明させてくださいね。
ほくろは、母斑細胞(ぼはんさいぼう)というほくろの細胞が、皮膚のなかでかたまってできています。
ほくろの細胞がある場所を具体的に説明しているのが、上のイラストです。
お肌のターンオーバー(新陳代謝)は、皮膚の「表皮」のみで行われています。
ですので、皮膚の表皮に存在しているほくろの細胞が、新陳代謝よって、はがれ落ちた可能性がある、ということです。
ほくろじゃなくシミだった
そもそも、あなたが取れたと思っているほくろは、シミの可能性もあります。
シミは、皮膚の表皮に、メラニン色素がたまることでできます。
表皮はターンオーバーを繰り返しているので、シミのもとであるメラニン色素がポロッと取れる可能性もないとはいえません。
ほくろの細胞は、基本的に表皮よりも深い部分(真皮)にあることが多いとされています。
ですので、シミに比べると、ほくろがポロッと取れることは少ない、と考えることもできます。
また、「ほくろとシミの違い・見分け方を大調査!」でも書いていますが、ほくろとシミは、それぞれ大きくなると見分けがつきやすいのですが、できはじめは見分けがつきにくいです。
診察でほくろもシミもたくさん見ている皮膚科の先生ですら「はじめは見分けがつきにくい!」とおっしゃるほど。
なので、あなたがホクロだと思っているものは、じつはシミだった!ということも、あり得なくはないかと思います。
ほくろをいじっているうちに取れた?
私は経験がなくて、実体験を書けなくて申し訳ないのですが、ほくろをいじったり、むしったりしているうちにポロッと取れることもあるようです。
レーザー専門クリニックの公式サイトにも、「ほくろをいじっていたら取れてしまったというケースもあります(略)」と書かれていました。
原因
「ほくろをいじっているうちに取れた原因」なんて、「ほくろをいじったから」でしかありませんよね(笑)
そうではなくて、「ほくろが取れる原理」について少し説明させていただきますね。
平べったいほくろも、膨らみのあるほくろも、ほくろ自体は、皮膚の上にへばりつくように存在しています。
ほくろから皮膚のなかに根が張っているわけではないので、むしっていると、ポロッと取れる可能性もあるんです。
「ほくろを触ってたら取れちゃったけど、なにか問題ある!?」と不安かもしれませんが、ほくろは取れることもあるようなので、特に心配しすぎる必要はいりませんよ。
注意点
ほくろが悪性化する可能性があるので、ほくろをむやみやたら触るのはおすすめできません・・・。
「ほくろを触るのはどれくらい危険なのか」は、「ほくろは自分で取ってもいい?」の項目で詳しく説明しています。
また自分でほくろが取りたくなった!という方は、ほくろを自分で取っちゃう前にぜひ読んでください~!
ほくろが取れたときにすべきこと
水洗い・保湿
ほくろ(もしくはシミ)がポロッと取れたときには、水で洗うことと、保湿をするようにしてください。
皮膚科の専門医も、このようにおっしゃっています。
もし引っかいて削り取れてしまった場合は、炎症が起こっている可能性が高いです。そのときは、患部を水道水で洗浄して、なるべく清潔に保ちましょう。
また、乾燥は治りを遅らせてしまうので、お持ちの化粧水やクリームなどで保湿してください。
PICO Beauty Clinic 長谷川院長
また、ほくろが取れたあと、あまりに出血がある、痛みがひどい、強い炎症がおきているなどの異常があるときは、病院の先生に診てもらうことをおすすめします。
紫外線対策
自分でほくろを取ったときも、自然とぽろりと取れたときも紫外線対策することを強くおすすめします。
私たち人間の皮膚は、角質層・顆粒層・有棘層など、何層にも重なって紫外線や細菌などを防いでくれています。
しかし、ほくろが取れたあとは、皮膚の層が減っていたりなくなっている状態。紫外線の影響も受けやすくなっています。
なので、紫外線をガンガンあびてしまうと、シミができたり、ほくろが再発する可能性が・・・。
ほくろが取れたあとは、テープやばんそうこうを貼る、日焼け止めクリームを塗るなどして、紫外線をあびないようにしてくださいね。
ほくろが取れたあとはどうなる?
色素沈着
ほくろが取れたあと、皮膚のなかにほくろの細胞が残っている場合、色素沈着(シミのようなもの)が残る可能性があります。
なぜなら、ほくろの細胞自体に色がついていて、皮膚のうえから透けてみえるためです。
色素沈着が残るかどうかは、「皮膚のなかにほくろの細胞がどれくらい残っているか」「ほくろの細胞がどれくらい濃い色をしているか」にもよります。
ですが、ほくろ自体を取っても、ほくろの細胞は皮膚のなかに残りやすいので、色素沈着がおこる可能性は高いと考えています。
再発
ほくろの細胞が皮膚のなかに残っている場合は、ほくろが再発する可能性もあります。
上のイラストは、ほくろを自分の手で取ったときのイメージです(ほくろが自然と取れてしまったときも同じ)。
皮膚の上にあるほくろやほくろの膨らみ部分だけが取れても、皮膚のなかには、ほくろの細胞が残っている可能性があります。
「ほくろが増える原因全部調べて分かった唯一の予防法」で説明していますが、ほくろの細胞は、紫外線をあびると増えてしまいます。
ほくろが濃くなる・大きくなる
「ほくろを自分で取った」という人のなかに、「取れたと思ったら巨大化したほくろがでてきた」とか「ほくろがひとまわり大きくなった」など、ほくろが大きくなった人。
それと、「取るまえよりも色の濃い(鮮やかな)ほくろがでてきた」という、ほくろが濃くなった人がいたようです。
ほくろが大きくなる・濃くなる原因をリサーチしてみましたが、根拠のある情報をみつけることができませんでした。
ただ、自分でほくろを取ったときには、こんなこともあるかも・・・ということを、頭の片隅にでも入れておいてもらえたらと思います。
ほくろは自分で取ってもいい?
一度ほくろが取れると「ほかのほくろも取りたい!」と思うかもしれませんが、自分でほくろを取ることはおすすめしていません。
なぜなら、ほくろが悪性化して、メラノーマという皮膚がんの一種になる可能性があるからです。
国立がん研究センターによると、日本人は、足の裏・爪など、慢性的に刺激をうけやすい部分に、メラノーマが多いと指摘されています。
必ずしも「ほくろへの刺激」が、悪性化の原因かどうかはわかっていませんが、「ほくろへの刺激は危険因子のひとつである」とも指摘しています。
気になるほくろがあると、自分で取りたくなっちゃうかもしれません。ひとつ取れた経験があるとなおさらだと思います。
ですが、ほくろをむやみやたらに触ったり、針・つまようじでいじったりするのは、あまりおすすめできません・・・。
「ほくろと皮膚がん(メラノーマ)の超分かりやすい見分け方」でも説明していますので、気になる方はこちらもご覧くださいね。
ほくろの安全な除去方法
ほくろが悪性化する心配なく、安全に除去できるのは病院でのほくろ除去治療をうけることです。
病院で受けられるほくろ除去治療には「炭酸ガスレーザー」と「電気分解法」があります。それぞれ簡単に説明させてくださいね。
炭酸ガスレーザー
炭酸ガスレーザーは、名前のとおり、レーザーの力でほくろを削り取る方法です。
平べったいほくろだけでなく、盛り上がっているほくろも取ることができます。
そもそも医療行為なので、自分で取るよりも、安全性が高いといえます。
自分で取るときのように「ほくろの再発」や「色素沈着」のリスクはありますが、正しい予防法をおこなうことで、それらを防ぐことができます。
電気分解法(電気メス)
電気分解法とは、電気メスに流れる高周波の力で、ほくろを削り取る方法です。
炭酸ガスレーザーと同じで、へいたんなほくろも、膨らんでいるほくろも除去することが可能。
リスクも、炭酸ガスレーザーとだいたい同じ。ですが、正しく予防することで、それらのリスクを防ぐことができます。