もともとは小さかったほくろが、なぜ大きくなるの?について徹底的に調べました。その結果分かった「唯一の原因」とは…?
ほくろとは
「ホクロが大きくなる原因」を説明するまえに、「そもそもほくろとは?」について簡単に説明させてください。
これを知っておくと、なぜホクロが大きくなるのかが分かりやすくなります!
ほくろとは、皮膚のなかで、母斑細胞(ぼはんさいぼう)というほくろの細胞が集まってできたものです。
ほくろって皮膚の表面にへばりついているように見えて、そうではありません。
皮膚の奥に存在しているほくろの細胞が、皮膚の上から透けてみえている、ということを覚えておいてくださいね。
ちなみにですが、ほくろは生まれつきあるもの(先天性色素性母斑)と、紫外線を浴びることによって後天的にできるもの(後天性色素性母斑)があります。
ほくろの原因について、詳しくは「ほくろが増える原因全部調べて分かった唯一の予防法」でご紹介しています。
ほくろが大きくなる原因
ほくろが大きくなるのは、紫外線によってほくろの細胞(母斑細胞)が増殖するからだと考えられています。
紫外線
信州大学の斎田教授は、「母斑細胞が日光紫外線などで刺激されて、さらに増殖すると考えられる」と指摘しています。
それ以外の原因は根拠なし
ほくろが大きくなるのは、「こすったりして刺激を与える」とか「ストレス」「生活習慣の乱れ」も関係があるんじゃないか?と言われています。
しかし、調べてみた結果、それが事実であるという根拠が見つかりませんでした。
ほくろはどこまで大きくなる?
ほくろがどれくらい大きくなるか?は、そのほくろが生まれつきあるものか、それとも、後天的にできたものかによって変わります。
生まれつきあるほくろ
生まれつきあるほくろは、1.5mmから20cmまで大きくなる可能性があります。(Kopfら「Congential nevocytic nevi and malignant melanoma」)
10cm~20cmくらいのほくろは、もはやほくろっぽさはほとんどなく、「あざ」のように見えます。
幼児の場合、体に6cm以上、もしくは頭に9cm以上のもの、成人の場合、20cmをこえるほくろ(あざ)があるとき、「巨大先天性色素性母斑」と呼びます。
生まれつきほくろができる原因については、「ほくろが増える原因全部調べて分かった唯一の予防法」をご覧ください。
後天的にできるほくろ
後天的にできたほくろのほとんどは、約7mm以下だとされています。(斎田教授「色素細胞母斑」)
先天性と後天性のほくろの見分け方
金沢大学の西原教授が、「生まれつきできたほくろの細胞は、生後何歳でほくろとして体に現れるか」についての統計を取っています。
それによると、生後6か月までにほくろとして出てきたものが66.2%、生後5年までに出てきたものが77.8%だったとされています。
つまり、5歳までに顔や体に出てきたほくろは、生まれつきできると決まっていたほくろと考えていいでしょう。
といっても自分のほくろが5歳のときにあったかどうかは分かりませんので、ご両親に聞くか、小さい頃の写真などで確認するのがよさそうです。
ほくろが大きくなるのを予防する方法
これ以上ホクロを巨大化させないためには、なにより紫外線対策を徹底的にすることが重要です。
また、日焼け対策をしっかりしておくことは、新しくほくろ(シミも!)ができるのも防ぐことができます。
少しでもほくろを増やさないために、意識して紫外線対策をするようにしてくださいね。
ホクロを作らないための紫外線徹底マニュアルは、ほくろが増える原因全部調べて分かった唯一の予防法」に書いています。
大きくなったほくろの除去について
ほくろ除去を考えている方は、「サイズが大きいほくろも、ちゃんと除去できるの?」と疑問に思う方も多いはず。
結論としては、物理的には、大きくなったほくろも除去できます。
ただ少し残念なお知らせで、ほくろが大きくなるごとに、皮膚も広く深く削る必要があります。。
なぜなら、ほくろの細胞はたくさん増えるほど、ほくろの細胞は皮膚の奥深くに移動するから。
ここからは、「ホクロの細胞が時間とともにどう移動するか」についてご説明します。
境界母斑:ほくろのでき始め
1mmから2mm程度の小さなほくろの多くは、境界母斑(きょうかいぼはん)に分類されます。
ほくろの細胞が、表皮と真皮のさかいめにある状態。皮膚表面から近いので、皮膚を削るのも浅くて済みます。
複合母斑:できてから少したったほくろ
2mmから4mmくらいの、やや小さめのほくろの多くは、複合母斑(ふくごうぼはん)にあたります。
ほくろの細胞が、表紙と真皮のさかいめ~真皮の浅い部分にある状態です。
1mm~2mmくらいの小さいほくろよりも、皮膚を深く削る必要があります。
真皮内母斑:できてからかなりたったほくろ
複合母斑と同じ2mから4㎜くらいで、かつ膨らみがある場合、真皮内母斑(しんぴないぼはん)のことが多いです。
ほくろの細胞が、完全に真皮のなかだけにある状態。境界母斑や複合母斑よりも、皮膚を深く削る必要があります。
自分のほくろの細胞はどこにある?
じゃあ、私のほくろの細胞はどのへんにいるの?どのほくろが境界母斑とか複合母斑って見分ければいいの?と疑問に思いますよね。
正しく判断するには、ダーモスコピーという顕微鏡で、ほくろの組織像(細胞や組織がどんな色・形・大きさをしているか)を見る必要があります。
大きいほくろの除去方法
美容外科や皮膚科の説明を見ていると、7~8mmくらいまでのほくろはレーザーか電気分解法で、約10mmを超えるほくろは切開法で取ることが多いようです。
※病院やお医者さんの治療方針によって、約5㎜くらいのホクロでも、レーザー除去を断られる場合があります。
炭酸ガスレーザー
名前の通り、レーザーの熱でほくろを削り取る方法です。
費用が安く、治療にかかる時間も短く、お化粧もすぐできるようになるため、もっとも人気の方法です。
炭酸ガスレーザーについての詳しい情報は、「炭酸ガスレーザーでのほくろ除去-実際に体験した私が解説!」をご覧ください。
電気分解法(電気メス)
電気分解法(でんきぶんかいほう)とは、電気メスの熱で、ほくろを取る方法です。
炭酸ガスレーザーと同じく、治療にかかる時間が短く(おおよそ数分!)、ダウンタイムも短いため、人気の除去法です。
電気分解法について詳しくは、「電気分解法(電気メス)のほくろ除去とは-実際に除去した私が解説!」をご覧ください。
切開法
ホクロをメスで切り取る方法です。
特に、膨らみのあるホクロや、サイズの大きいホクロを除去するのに使われます。
切開をしたあとは医療用の糸で縫うのですが、縫ったあとに、1本線のような傷跡が残ることがあります。
・本当に切開法で除去する必要があるのか?
・どれくらい跡が残る可能性があるのか?
など、お医者さんとしっかり相談してから、除去されることをおすすめします。
ほくろが大きくなるのは皮膚ガンだから?
ホクロがどんどん大きくなると、「もしかして病気なのかな?」と考えてしまうことがありますよね。
ホクロが約6mm以上の大きさで、かつ、以下の条件に当てはまっている場合、「メラノーマ」というほくろのガンの可能性があります。
A(Asymmetry):かたちが左右非対称である
B(border irregularity):はじがギザギザしている。境界がはっきり鮮明な部分と、不鮮明な部分がある
C(Color variegation):黒褐色が多いが、色にムラがある。青・赤・白色などが混ざることもある。
D(Diameter enlargement):直径が6mm以上ある。
E(Evolving lesion):大きさ、形、色、表面の状態など症状の変化がある
(アメリカ皮膚科学会「ABCDEの法則」)
特に、短期間で急速にほくろが大きくなった場合は、メラノーマの可能性が高いと言えます。
もし、ここ数週間や数ヶ月のあいだにホクロが大きくなっているのであれば、病院で検査を受けてみてもいいでしょう。
しかし、長い期間(数年)かけて大きくなったほくろのほとんどは、特に問題のない、良性のほくろです。
過剰に心配しすぎないようにしてくださいね。
ほくろのガンについて、詳しくは「ほくろと皮膚がんの見分け方を本気で調査!がんの原因や検査方法も」をご覧ください。