顔にできるほくろとイボは似ているものもありますよね。こちらではホクロとイボの違いや見分け方をご紹介。
ほくろとイボの違い
ほくろとイボの違いは説明していきます。
これを読んでいただくことで「ホクロとイボって似てるようで全く違うものなんだ!」とお分かり
ほくろ
ほくろとは、母斑細胞(ぼはんさいぼう)というほくろの細胞がかたまってできたもの。
皮膚のなかにある「メラノサイト」という細胞が、紫外線をあびると、突然変異によって「母斑細胞(ぼはんさいぼう)」というほくろの細胞にかわります。
皮膚のなかで集まった「ほくろの細胞たち」が、皮膚のうえから透けてみえているもの=ほくろ、なんです。
「ほくろが増える原因全部調べて分かった唯一の予防法」で詳しく説明しています、こちらもぜひご覧ください。
イボ
私たちが「イボ」と呼んでいるものは、良性の皮膚疾患のことです。
イボには、
- ウイルス性疣贅(ゆうぜい)
- 老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)
の2種類ありますので、それぞれ「どうやってできるか」や「特徴」など、簡単にご説明しますね。
ウイルス性疣贅(ゆうぜい)
もっとも一般的なイボは、ウイルス性疣贅(ゆうぜい)といいます。
名前のとおり、皮膚の細胞が、ウイルスに感染することでできるイボです。
大人の体にできることもありますが、抵抗力が強くない子どもにできることも多いとされています。(参考:大木皮膚科、はなふさ皮膚科)
上のイラストのように、私たちの顔や体の皮膚は、【角質層(かくしつそう)】【顆粒層(かりゅうそう)】【有棘層(ゆうきょくそう】【基底層(きていそう)】の4つの層からできています。
これらの4つの層が、外からの刺激や、ウイルスの感染から皮膚を守ってくれています。
ですが、皮膚に小さな傷があると、「ヒトパピローマウイルス」というウイルスが侵入し、感染してしまいます。
ヒトパピローマウイルスに感染すると、皮膚の「基底層(きていそう)」の部分にイボの芯ができます。
そして、ウイルスに感染した細胞が、正常な細胞をおしのけ、どんどん増殖していきます。これがウイルス性疣贅(ゆうぜい)です。
脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)
脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)は、おもに紫外線が原因でできるイボのことです。
高齢になるほどできやすくなることから、「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」や、「老人イボ」と呼ばれることもあります。
山手皮膚科クリニックによると、80代以上の日本人には、100%の確率で老人性疣贅があるとのこと(!)。
皮膚の有棘(ゆうきょく)層にある細胞や、基底層にある細胞が、皮膚の上に盛り上がるように増殖していきます。
でき初めはシミ(老人性色素斑)として膨らみのないものなんですが、さらに紫外線をあびることで盛り上がってきてイボになります。
遺伝によってなることもあり、20代や30代の若い人にもできることがあるとのこと。
顔のほくろとイボの見分け方
膨らみのないタイプのほくろと似ているのは、イボのなかでも「脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)」です。
ここでは、顔にできるほくろと、脂漏性角化症の見分け方をご紹介していきます。
【ほくろと脂漏性角化症の簡易比較表】
大きさ | ||
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形(見た目) | ||
感触 | ||
できやすい年齢 |
できはじめ
ほくとろイボでまったく違うのは「できはじめ」。
ほくろのできはじめは、約1㎜くらいの小さいもので、膨らみはまったくありません。形は丸く整ったものが多いです。
真っ黒よりも茶色~薄茶色のものが多く、シミと見間違うことも。
イボも、はじめは薄茶色のシミができます。シミがどんどん大きくなってきて、形はモヤモヤしてくることが多くあります。
大きさ
ほくろは、生まれつきではなく、後天的にできたものであれば約7㎜~1㎝くらいまでしか大きくなりません。
ですが、イボ(脂漏性角化症)の場合、1㎜くらいの小さいものから、最大で2~3㎝まで大きくなることがあります。
茶色っぽくて膨らみのあるできもののサイズがかなり大きい場合は、ほくろではなくイボの可能性が高いといえます。
ほくろの大きさについては、「ほくろが大きくなる原因を追及!でかくなるのを止める方法も」で解説しています。
形(見た目)
イボ(脂漏性角化症)は、イボとイボが近くで散らばったように、たくさんできることがあります。
(数百個単位で多発している場合は、「レーザートレラ症候群」という、内臓系にがんがある兆候の可能性があります。)
また、「粘土細工を貼り付けたような見た目」と表現されることもあります。(参考:新しい皮膚科学)
感触
ほくろとイボ(脂漏性角化症)では、触ったときの感覚も異なることがあります。
ほくろは、平べったいものなら触った感覚はありません(お肌を触っているのと同じ)。
イボ(脂漏性角化症)の場合は、ものにもよりますが、盛り上がりがあり、手でさわるとザラザラしているのが大きな特徴です。
イボによっては、爪で削るようにするとかさぶたのようにポロポロとはがれ落ちることも。
ほくろは、爪で削ろうとしてポロッと落ちたり、かさぶたや皮が取れたりすることはありません。
できやすい年齢
ほくろは、生まれつきできるものでなければ、いつでもできます。特に何歳からできやすくなる、というデータはみつかりませんでした。
イボのなかでも脂漏性角化症は、40代から50代で急激にできやすくなります。
見分けがつかない場合
ほくろとイボが似ていて「どうしても見分けがつかない!」ということもあるかと思います。
お医者さんでもパッと見ただけじゃ区別できず、ダーモスコピーという拡大鏡で、皮膚の細胞をみて判断することもあるようです。
ですので、「ほくろかイボが見分けたい!」というときは、病院に行くのがおすすめ。
一般的な皮膚科だとお金もかかるし待ち時間もあるし…という人は、一度美容外科(美容皮膚科)に行ってみてはいかがでしょうか?
カウンセリング自体は無料の病院が多く、また予約制で待ち時間なく診察してもらえるところが多くありますよ!。
ほくろとイボの除去方法の違い
ほくろとイボを取る方法は同じだと考えがちなんですが、まったく同じという訳ではありません。
ほくろ
病院でほくろを除去する方法は、炭酸ガスレーザー、電気分解法(電気メス)、切開法があります。
【病院でほくろを取る方法】⇒ほくろ除去方法を完全比較【炭酸レーザー・電気メス・切開・ルビー】
炭酸ガスレーザー
皮膚のなかにあるほくろの細胞を、レーザーの力で削り取る方法です。
ほくろの大きさが約1㎜~6㎜くらいのもので、平べったいものも、盛り上がっているものも除去できます。
イボも炭酸ガスレーザーで除去できるので、ほくろもイボも一度で除去してもらえる病院もありますよ。
【炭酸ガスレーザーの詳しい記事】⇒炭酸ガスレーザーでのほくろ除去-実際に体験した私が解説!
【炭酸ガスレーザーでの除去体験記事】⇒品川美容外科でのほくろ除去口コミレポ【経過写真更新中】
電気分解法(電気メス)
皮膚のなかにあるほくろの細胞を、高周波の電気が流れたメスで削り取る方法です。
炭酸ガスレーザーと同じく、ほくろの大きさが約1㎜~6㎜くらいで、平べったいものも、盛り上がっているものも除去できます。
【電気分解法の詳しい記事】⇒電気分解法(電気メス)のほくろ除去とは-実際に除去した私が解説!
【電気分解法での除去体験記事】⇒東京美容外科でのほくろ除去口コミレポ【経過写真更新中】
切開
ほくろがかなり大きいもの(約7㎜~)の場合、メスで切開して除去することがあります。
ほくろの細胞を残さず取り切りやすいので、再発する可能性がほとんどありません。
ほくろを除去したあとは医療用の糸で縫うので、一本の線のような傷跡が残ります。
イボ
病院でイボを取る方法は、冷凍凝固法(液体窒素)、炭酸ガスレーザー、電気分解法があります。
ただ、イボの取り方をネットで調べていると、「○○法はダメだ!」とか「○○法で取る病院は古い!とかってかなり加熱しているのを感じました。
おもに「冷凍凝固法」(とっても冷たい液体窒素で取る)や「炭酸ガスレーザー」(レーザーで削り取る)という方法がありますが、それぞれメリットもデメリットもあります。
当サイトはほくろをメインとしているのでイボについては深く書きませんが(体験談もありません)、イボを取ろうと考えている方は、どうぞたくさんの情報を集めてから病院へ行くことをおすすめします。
冷凍凝固法
-196℃という超低温の液体窒素で、イボを壊死させて除去する方法です。
ウイルス性疣贅も、脂漏性角化症も、どちらもこの方法で取ることができます。
綿棒のような小さい棒に液体窒素をつけて、ちょんちょんとイボに押し当てるようにして取ります。
デメリットとして、痛みがあること、顔に色素沈着が残りやすいことと、イボの大きさによっては何度も通院する必要があります。
私の母が、足の裏にできたかなり大きいイボ(ウイルス性)を液体窒素で取っていましたが、治療が激痛らしくかなり辛そうでした。
パッドを貼らないと歩くときも痛くて耐えられないと言ってましたし、なにより1年間通院してたのも大変そうだった。。
炭酸ガスレーザー
ほくろと同じで、炭酸ガスレーザーでイボを削り取る方法です。
イボの大きさにもよりますが、一度の治療で取り切ることができる、麻酔をするので痛みがない、などのメリットがあります。
電気分解法
炭酸ガスレーザーと同じで、電気分解法でもイボを除去することができます。
ただ、一般的な皮膚科・美容外科では電気分解法の治療メニューが少ない印象。
美容外科や美容皮膚科だと、電気分解法での除去ができるところが多いように感じました。
ほくろとイボはイボコロリで取れる?
「イボならイボコロリで取れそうだし、なんならホクロも一緒に取れたりしない!?」と考える人も多いはず。
ほくろとイボ、それぞれイボコロリで取れるのかどうか説明していきます。
イボ
イボには「ウイルス性疣贅(ゆうぜい)」と「脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)」があるのですが、イボコロリで取れるのはウイルス性疣贅です。
ウイルス性疣贅
イボコロリに含まれている「サリチル酸」という成分が、ウイルスに感染してカチカチに硬くなった細胞(イボ)をやわらかくしてはがしていきます。
脂漏性角化症
顔にできやすいイボの脂漏性角化症ですが、イボコロリでは取ることができません。
イボといってもカチカチに硬いできものではなく、シミがプクッと膨らんだようなイボなので、イボコロリを使うと炎症をおこす可能性が。
そもそもイボコロリは顔に使えないので、顔のイボは取ることはできません。
ほくろ
ほくろは、イボコロリでは取れません。
なぜなら、サリチル酸がほくろの細胞がある場所まで届かないのと、健康な皮膚に炎症がおきる可能性があるからです。
詳しくは、「イボコロリでほくろ除去できる?【噂の真相】」をご覧ください。
ほくろからイボに変わる?
ほくろとイボの形が似ているので、「イボってほくろの進化系なん?」と思っている人もいらっしゃるよう。
ですが、ほくろからイボに変わることはありません。
「ほくろとイボの違い」の項目で説明していますが、ほくろとイボはできる理由がまったく違うので、ほくろがイボになったり、イボがほくろになったりはしないんです。