なぜホクロは膨らむの?を大公開。盛り上がると除去しにくくなるので、今からできる予防法もぜひご覧ください。
ほくろとは?
ほくろの膨らみについて説明する前に、「そもそもホクロとは」について、簡単に説明させてください。
これを知っておくことで、「ほくろが膨らむ原因」が理解しやすくなります。
ほくろとは、母斑細胞(ぼはんさいぼう)というほくろの細胞が集まってできたものです。
ほくろは、「皮膚の上にへばりついて取れないもの」だと思われていることも多いのですが、そうではありません。
皮膚のなかにほくろの細胞が存在していて、皮膚からほくろの細胞が透けて、「ほくろ」として見えているんです。
ほくろが膨らむ原因
ほくろは、できてすぐに盛り上がっていることはありませんよね。
多くのほくろは、時間が経つと「いつの間にか膨らんできた」というものが多いはず。
なぜなら、紫外線を浴びるとか時間が経つことによって、ほくろの細胞が増殖し、重さが増え、皮膚の奥に落ちるように移動することでほくろが膨らむからなんです。
ちなみに、「なぜ、ほくろの細胞が皮膚の奥にあると、ほくろが膨らむのか」については、解明されていません。
ほくろの細胞(母斑細胞)についてはまだまだ研究途中で、分かっていないことも多くあるんです。。
ほくろの細胞がどこにあると、ほくろが膨らむ?
先ほど「ほくろの細胞が、皮膚の奥に移動すると、ほくろが膨らむ」と説明しました。
具体的には、ほくろの細胞が、皮膚の真皮(しんぴ)層のより深い部分に移動するほど、膨らみができやすくなることが分かっています。
「真皮層ってどこ?」
「より深い部分ってどういう意味?」
と、疑問に思われた方も多いでしょう。
ここで見ていただきたいのが、「ほくろの細胞が皮膚のどこに存在するか」によって決められている分類です。
この分類を見ることで、「ほくろの細胞がどこに存在すると、膨らみができやすいのか」が分かります。
境界母斑(きょうかいぼはん)
ほくろの細胞が、表皮と真皮のさかいめにあるとき、境界母斑と呼びます。
このホクロは、平べったく、サイズも約1㎜程度と小さいものがほとんどです。
複合母斑(ふくごうぼはん)
ほくろの細胞が、表皮と真皮の境界~真皮の浅い部分にあるとき、複合母斑と呼びます。
ホクロは平べったいものもあれば、やや膨らみがあるものもあります。
サイズは約2㎜~4㎜ほどの、やや小さいものが多いです。
真皮内母斑(しんぴないぼはん)
ほくろの細胞が、真皮内のみに存在しているものを、真皮内母斑と言います。
ホクロはぷくっと膨らむことが多いです。
ほくろ細胞の場所とほくろの膨らみに関する実験
「ほくろの細胞がどこにあると、ほくろが膨らむのか?」について、実際に人間のほくろを見て出されたデータがあります。(金沢大学西原教授「色素細胞母斑,殊に組織構造を中心として」)
このデータによると、複合母斑の場合、やや膨らみをもったほくろになる。
真皮内母斑だと、完全に膨らんでいるほくろになる。
ということが分かります。
ほくろが膨らむのを予防する方法
紫外線を予防する
ホクロが盛り上がるのを予防するためには、紫外線を予防することが大切です。
ほくろが膨らむ原因は、「ほくろが増殖し、その重みで皮膚の奥に落ちる」と説明しました。
紫外線は、ほくろの細胞が増殖する原因であると考えられています。(信州大学斎田教授「色素細胞母斑」)
ほくろを膨らまさない&新しく作らないための徹底マニュアルは「「ほくろが増える原因全部調べて分かった唯一の予防法」でご紹介しています。
その他の方法は不明
「なぜほくろの細胞が増えるか」「なぜほくろの細胞が皮膚の奥に移動するか」については、まだまだ研究中。
紫外線を予防する以外に、根拠のある予防方法は見つかりませんでした。
ほくろが膨らんでいるのは皮膚ガンだから?
ぷくっと膨らんだほくろがあると、「もしかして皮膚ガンなの?」と不安になる人もいるかもしれません。
「ほくろのガン」と呼ばれている皮膚ガン(メラノーマ)の場合、以下のような特徴が見られます。
A(Asymmetry):かたちが左右非対称である
B(border irregularity):はじがギザギザしている。境界がはっきり鮮明な部分と、不鮮明な部分がある
C(Color variegation):黒褐色が多いが、色にムラがある。青・赤・白色などが混ざることもある。
D(Diameter enlargement):直径が6mm以上ある。
E(Evolving lesion):大きさ、形、色、表面の状態など症状の変化がある
(アメリカ皮膚科学会「ABCDEの法則」)
基本的に、時間をかけてゆっくり膨らみができたホクロは、問題ないものが多いです。
ただ、急激にホクロが膨らんできた場合、皮膚ガンの可能性は否定できません。
皮膚科で簡単に診てもらうことができますので、気になるほくろがある場合、早めに受診することをおすすめします。
ほくろのガンについては、「ほくろと皮膚がんの見分け方を本気で調査!」をご覧ください。