自分でほくろ除去できるとされる「精油ジェル」について調べてみました。
私は精油ジェルを使ったことがないので、「詳しい使い方」や「実際に使ってみたレポ」はありません。ごめんなさい(´;ω;`)
精油ジェルとは
精油ジェルとは、ほくろが取れると言われているジェルのこと。
ネットで検索していると「ウバイ精油膏(せいゆこう)」という商品も見かけますが、どうやら精油ジェルの「クリームバージョン」とのこと。
精油ジェルとウバイ精油膏を販売しているサイトによると、「ウバイ精油膏は、ジェルより歴史が古く(略)、ほくろ除去クリームのパイオニアと言って良い商品」なんだとか。
あくまで民間療法
さっき、わざと「ほくろが取れると言われている」と表現したのは、精油ジェルでのほくろ除去は、あくまで民間療法だから。
昔から「精油ジェルでほくろが取れるらしいよ~」と言われているだけで、医療行為ではないので、確かかどうか分かりません。
「火傷をしたときはアロエを塗れば治るよ~」というのと同じです。
ほくろ除去クリームのカソーダやもぐさなんかも、ほくろ除去できると言われている民間療法のひとつ。
個人輸入品
精油ジェルは日本製ではありません。フィリピン製、台湾製のものがあるようです。
精油ジェルはインターネットで購入できますが、個人輸入品になります。
つまり、日本の法律に基づいて作られていないので、日本では認められていない成分が入っている可能性があるということ。
個人輸入については「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ(厚生労働省)」が分かりやすいです。ぜひご一読ください!
精油ジェルでほくろが取れる理由
精油ジェル(ウバイ精油膏)の成分が分からないので、ほくろが除去できる原理が分かりませんでした。
ただ、精油ジェルを販売しているサイトによると、「ほくろが取れる原理は「漢方烏梅膏(かんぽううばいこう)」や「ニッキーモルアウトクリーム」などの商品と同じです。」とのこと。
ですので、「漢方烏梅膏」と「ニッキーモールアウトクリーム」でほくろが取れる理由を、解明してみようと思います。
漢方烏梅膏でほくろが取れる理由
おそらくなのですが、漢方烏梅膏に入っている「滑石粉(タルク)」の成分が、皮膚を溶かしてほくろを除去するのではないか?と推測。
(理科・科学に詳しい方、もし間違いがあればご指摘いただければ幸いです。。)
漢方烏梅膏の販売サイトによると、主成分は、「梅抽出物」、「石膏(せっこう)」、「滑石粉(かっせきふん)」とのこと。
石膏(せっこう)と滑石粉(かっせきふん)が何だか分からないので、wikipediaで調べてみます。
石膏(せっこう)とは、硫酸(りゅうさん)カルシウム(CaSO4)を主成分とする鉱物である。
石膏に含まれている「硫酸カルシウム」は、水を足すと硬化するという性質があるんだそう。
この性質を使って、建築物や骨折したときに使うギプスだけでなく、漢方薬、お化粧品などにも使われているのだとか。
お豆腐をかためるときに、石膏が使われることもあるそう(!)
次は、滑石粉を見ていきます。
滑石(かっせき)とは、水酸化マグネシウムとケイ酸塩からなる鉱物で、粘土鉱物の一種である。
滑石とは、つまりタルクのことなんだそうです。
チョークとか、ベビーパウダーに入っているんだそう。
滑石粉に入っている「ケイ酸塩」というのは、「ケイ素」でできた化合物のこと。
ケイ素は、アルカリ性です。
アルカリ性の液体は、強いものだと、皮膚を溶かすほどの力を持っています。
おそらくこのアルカリの力を使って、皮膚を溶かし、ほくろを除去するという原理なんだと思います。
ニッキーモールアウトクリームでほくろが取れる理由
ニッキーモールアウトクリーム販売サイトを見たところ、ニッキーモールアウトクリームの成分は以下の通り。
- バージンココナッツオイル
- アロエヴェラエキストラクト
- パパイン(パパイヤ酵素)
- フルーツエキストラクト(酒石酸、クエン酸)
- チェリーエキストラクト
- 脱イオン水
- 硬化ひまし油
- オリーブオイル
- ミネラルオイル
- タルカムパウダー
たくさんのフルーツ由来成分が入っているようですが、フルーツ由来成分でほくろが取れると言われると疑問でしかありません。
ここで目に留まったのが「タルカムパウダー」。
これって「タルク(=滑石粉)」のことです!漢方烏梅膏にも入っていましたよね!
やはりタルクに入っている成分(おそらくケイ素)のアルカリの力で、ほくろを除去するんだと思います。
タルクのアスベストについて
「タルクって、アスベスト(石綿)が入ってるんじゃないの?安全なの?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。
アスベストを知らない方のために、少しだけ説明すると、とても細い綿状・繊維状でできている岩石のこと。
アスベストをたくさん吸い込むと、肺がんや中皮腫という重い病気を発症する可能性があります。
数十年前、ベビーパウダーなどの製品にアスベスト入りのタルクが入っていることがあり、日本で問題になりました。
漢方烏梅膏やニッキーモールアウトクリームにタルクが入っているらしく、アスベストについて少し気になったので、以下の2点について調べてみました。
- 漢方烏梅膏やニッキークリームのタルクにアスベストが入っている?
- 漢方烏梅膏やニッキークリームでがんや中皮腫になる?
アスベストが入っている?
今日本で発売されているタルクには、規制がされているので、アスベストは入っていないはずです。
ベビーパウダーで有名なジョンソンエンドジョンソンも、商品ページで「アスベストの混入はありません」と記載しています。
ですが、個人輸入商品については、まったく分かりません。
なぜなら、日本での販売許可を得ていない=日本で認められていない成分が入っているかもしれない、からです。
漢方烏梅膏やニッキーモールアウトクリームには、タルクを液体にしたものが入っているようですが、アスベストが混入していないとは言いきれません。
どちらも、個人輸入商品です。どんな成分が入っていようと、自己責任のもとで使用する必要があります。
がんや中皮腫になる?
アスベストがたとえ入っていたとしても、がんや中皮腫などの重い病気になる可能性はかなり低いと思います。
なぜなら、クリームに入っているタルクはものすごく少量で、健康に悪影響を与えるとは思えないからです。
Q3.アスベスト(石綿)をどのくらい吸ったら病気になるのですか?
アスベスト(石綿)を吸ったら、必ず病気になるというわけではありません。
アスベスト(石綿)を長期にわたって大量に吸い込むと、肺がんなどを発病する可能性が高まることはわかっていますが、短期間に少量のアスベスト(石綿)を吸込んだ場合の危険性については、不明な点が多いとされています。
(「よくあるご質問 – アスベスト(石綿)について/社団法人安全衛生マネジメント協会」)
私は「タルクというと、アスベスト」というイメージがこびりついていたため、ここまで調べてみました。
少し気にしすぎかもしれませんが、「入っていないとは言いきれない」ということは、覚えておいて頂けたらと思います。
精油ジェルのメリット
精油ジェルでほくろ除去した方の実体験などを見て、感じたメリットをまとめました。
値段が安い
とにかく費用がかからない、安いのが最大のメリットではないでしょうか。
精油ジェル販売サイトを見ると、精油ジェル単品が4,980円(税込)で売られていました。内容量は約0.4g~0.5g。
使い方は、除去したいほくろに、1回3分塗る。それを3日間続ける。とのこと。
人によって塗る量が違うので必ずしもそうとは言えませんが、ほくろ1個あたり100円~200円くらいで取れそうです。
私が調べた限り、炭酸ガスレーザーや電気分解法だと、最低でも1個4,000円はします。(※大手美容外科のみ調べた場合。)
それに比べると、圧倒的な安さですよね。
自宅でほくろ除去できる
これは、「もぐさ」や「カソーダ」とも同じなのですが、自宅で(自分で)ほくろ除去できるのも大きなメリット。
色んな都合で「病院に行く余裕がない」とか、「そもそも病院に行くのが面倒」という方もいらっしゃるでしょう。
麻酔なしでほくろ除去ができる
精油ジェルを使うことで、麻酔を打たずにほくろ除去が可能。
「顔に麻酔を打つのが怖い…」、「注射すると思っただけで手に汗をかく」という方にとっては、麻酔なしで除去できるのは嬉しいポイントではないでしょうか。
精油ジェルのデメリット
メリットと同じく、客観的に見たときに感じたデメリットをまとめています。
成分が分からない
精油ジェルの成分がよく分からないのは、人によってはデメリットになるんじゃないかな、と感じています。
「実際に精油ジェルでほくろを取った方のブログ」を見ている限り、どうやら精油ジェルでほくろ除去できるのは事実のよう。
でも、成分が分からないということは、「どんな成分がどういう風に作用するからほくろが取れる」かが分かりませんよね。
もしかしたら、体にあまりいい影響を与えない成分が入っているかもしれません。
また、肌質(体質)によって、効果が大きく変わるものかもしれません。
「ほくろが取れるなら何でもいい!」と思う方もいらっしゃるでしょう。
ただ、「ほくろ除去できる原理が知りたい」という方にとっては、やや信頼性に欠けるかもしれません。
効果が実感できない
Yahoo!知恵袋などを見ていると、精油ジェルの効果が実感できないという声もありました。
どうやら、平べったいほくろに塗ってみても、うんともすんとも言わなかった模様。
あくまで推測なのですが、「精油ジェルが浸透できる範囲があって、それよりも深い場所にほくろの細胞があった」のではないかな?と考えています。
詳しく説明するために、ほくろについて、手短に説明させてください。
ほくろとは、皮膚のなかで、母斑細胞(ぼはんさいぼう)というほくろの細胞がかたまってできたものです。
ほくろは皮膚の上にへばりついているものではなく、皮膚のなかにあるほくろの細胞が、透けて見えているもの。
そして、ほくろの細胞は、さまざまな原因によって、より深い場所に移動していきます。
上のイラストのように、ほくろの細胞が、比較的お肌の表面の近く(表皮から真皮の境界)にあるものや、やや遠い場所(真皮)にあるものも存在しています。
精油ジェルはどれくらい深くまで届くか分からないので、ほくろの細胞がある場所によってはほくろが取れないということも、あっておかしくないと思います。
ほくろの再発
精油ジェルでほくろが消えたと思ったのに、ほくろが再発してしまったという人もいるようです。
これは、「精油ジェルで
ほくろの細胞が取り切れなかったから」だと思います。
先ほども少し説明しましたが、ほくろとは、ほくろの細胞がかたまってできたものです。
ほくろの細胞は、紫外線などによって、増殖することがあります。
つまり、精油ジェルでほくろが取れたと思っても、皮膚のなかにほくろの細胞が残っている場合、再発するかもしれません。
跡が残る
Yahoo!知恵袋などで、精油ジェルを実際に使った方の質問を見ていると、膨らみのあるほくろを取ったときに、跡(色素沈着のようなもの)が残ったという声がありました。
これも、ほくろの原理を考えると、納得がいきます。
「ほくろの膨らみを徹底リサーチ!膨らむ原因と予防法・皮膚ガンの可能性?」で解説していますが、膨らんだほくろというのは、ほくろの細胞が皮膚の奥深くにあるものなんです。
精油ジェルで、ほくろの膨らみ部分がポロッと取れたとしても、皮膚のなかのほくろの細胞は取り切れず、跡のようなものが残ることがあります。
精油ジェルは使わないべき?
私は、精油ジェルだけでなく、カソーダやもぐさのような民間療法によるほくろの除去は否定も肯定もしません。
使いたい方は使えばいいと思います。危険性ばかりを見て「絶対使わない方がいいよ!」と言うこともありません。
ただ、メリットもデメリットもちゃんと理解して、納得できた人だけに使ってもらいたいと思っています。
国民生活センター(厚生労働省)は、以下のように公表しています。
ホクロ取りクリーム類や民間療法的な自己処理は危険
ホクロ取りクリームでホクロが取れるということは、強酸や強腐食性のある成分が使われている可能性があり、肌に強い作用を及ぼすことを意味する。日本では認可された医薬品や化粧品等は販売されていない。
相談に寄せられているように、個人輸入代行業者を通じて海外から購入した製品で危害を受けても、消費者が現地の業者と交渉することは難しい。 一方で、寄せられた相談には、もぐさでホクロを取ろうとしてやけどをしたという例もある。
古くからの民間療法的な方法でも危険が伴うので避けたほうがよい。
国が、「日本で認められていないものは危ないから、使わないでね!」というのは、当たり前だと思うんですよね。
もし、国が認めた商品を使って国民が被害を受けたら、国が責任を負わなきゃならないですから。
初めにも書いた通り、メリットだけでなくデメリットにも目を向けて、納得できたら使うようにしてくださいね。