唇にはほくろもシミもできる
「唇にほくろができる原因~」というタイトルで、いきなり「シミもできる」なんて言ってしまってすみません(;´Д`)
唇には、黒々していて「いかにもほくろ!」っていうものも、ほくろに見間違えるような茶色っぽい「シミ」もできます。
病院で先生にみてもらったら、「ほくろだと思ってたけど、実はシミだった」ということも、多いようです。
ですので、基本的には「ほくろ」についてお話しますが、「シミ」についても多少お話しさせていただきます。
唇のほくろ(口唇色素斑)
ちょっとイメージしずらいかもですが、上のイラストは、唇の断面図です。
唇のほくろは、「母斑細胞(ぼはんさいぼう)」というほくろの細胞が増えることでできます。
紫外線をあびると、唇のなかに存在する「メラノサイト」が、ほくろの細胞である「母斑細胞(ぼはんさいぼう)」に変化します。
その「母斑細胞」がかたまったものが、ほくろです。
ちなみに、唇のほくろは「口唇色素斑(こうしんしきそはん)」と呼ばれることもあります。
唇のシミ(口唇メラノーシス)
唇にできる茶色っぽい「シミ」は、メラニン色素が増加することでできます。
紫外線をあびると、「メラノサイト」という細胞が、メラニン色素を作りだします。
唇も、顔の皮膚のようにターンオーバーをしているので、メラニン色素は自然とはがれ落ちます。
しかし、紫外線をあびる量が多かったり、ターンオーバーが乱れると、メラニン色素が沈着してしまいます。
皮膚の基底層(きていそう)にメラニン色素がたまってしまうと、「唇のシミ」ができます。
ちなみに、紫外線以外にも「唇をさわり続ける」など刺激を与えることも、唇にシミができる原因のひとつ。
唇のシミは「口唇(こうしん)メラノーシス」と呼ばれることもあります。
唇のほくろとシミの見分け方
「ほくろのようなシミのようなものがあるけど、どっちか分からん!」ってこと、ありませんか?
私の唇にも2つできものがありますが、ほくろかシミか分かっていません。
「いかにもほくろ!」と分かるもの以外、自力でほくろとシミを見分けることは難しいんです。
はっきり見分けるためには、病院でダーモスコピー検査を受ける必要があります。
ダーモスコピー検査とは、ほくろ・もしくはシミの細胞がどんなものか?を、拡大鏡でみる検査のこと。
ダーモスコピー検査については、「ほくろと皮膚がんの見分け方を本気で調査!」をご覧ください。
唇はほくろができやすい
「唇にほくろが何個もある!どんどん増えてる気がする!」という声もよく聞きます。
唇はほくろができやすいことが分かっているので、そう感じる人がいらっしゃるのも、おかしいことではありません。
顔やからだの皮膚と、唇の構造は、すこし違います。
顔とかからだの皮膚は、表皮の上に「皮脂膜(ひしまく)」という膜がありますが、唇にはありません。
また、体の皮膚は「角質層」がありますが、唇の角質層は、かなり薄いことが分かっています。(参考:朝日新聞デジタル)
つまり、唇を守るものが体の皮膚よりも薄いために、紫外線の影響を受けやすい状態です。
唇にほくろができるのは病気?
唇にほくろができたけど、もしかして病気?と心配されている方もいらっしゃるかと思います。
どちらもまれなのですが、
- 皮膚がん(メラノーマ)
- ポイツ-ジェガース症候群
の可能性も、ないとはいいきれません。
皮膚がん
唇にできるほくろは、まれに皮膚がん(メラノーマ)のときがあります。
メラノーマとは、「メラノサイト」もしくは、ほくろの細胞である「母斑細胞(ぼはんさいぼう)」が、何らかの原因で変化して、がん化したもの。
メラノーマかどうか見分けたいときは、このようなポイントに当てはまっていないかチェックしてみてください。
(米国皮膚科学会という機関が公表しているもの。)
- ほくろのかたちが非対称
- ほくろのフチがギザギザ・モヤモヤしている
- 色にムラがある
- ほくろが6㎜以上である
- ほくろの大きさ・形・色・状態が急に変わった
腸の病気
ポイツ-ジェガース症候群といって、大腸に大量の(100個以上とも!)ポリープができ、手足や唇にもほくろのような色素沈着ができる病気があります。
主に遺伝によって発症することと、子どものときに発症しやすいことで知られています。
子どものときに発症するポイツ-ジェガース症候群は、難病に指定されているほど、珍しい病気です。
唇にほくろができたほとんどの方には、当てはまらない可能性が高いといえます。
唇のほくろを除去する方法
ここからは、唇のほくろ(シミ)除去について詳しくご紹介していきます。
炭酸ガスレーザー
唇にできたほくろも、顔や体と同じで、炭酸ガスレーザーで除去することができます。
炭酸ガスレーザーとは、炭酸ガスの力でほくろを蒸発させることで、ほくろを取る方法です。
蒸散というとイメージしにくいかもですが、ほくろをくり抜くのではなく、一瞬で分解して消し散らかす!みたいな感じ。
平べったいほくろも、膨らみのあるほくろも、レーザーで取ることができます。
局所麻酔、もしくは麻酔クリームを塗ってから治療をすることが多く、その場合、レーザー自体の痛みはありません。
炭酸ガスレーザーについては、「炭酸ガスレーザーでのほくろ除去とは?」で詳しく解説しています。
Qスイッチルビーレーザー
唇のほくろは、Qスイッチルビーレーザーで除去することもあります。
Qスイッチルビーレーザーは、「黒」「茶」「青」の色素だけに反応し、除去することが可能。
唇のほくろは自分で取れる?
もぐさ、ほくろ除去クリーム、精油ジェルなどを使って自分で取れる?と質問されることがあります。
私は実際にこれらを使ったことがないので、実体験は書けません(ごめんなさい)。
ですが、それぞれ鬼のように調べてみた結果、取れるか取れないかを考えてみました。
もぐさ
もぐさで唇のほくろは、膨らんでいるほくろの「膨らみだけ」なら取れると考えられます。
唇にある平べったいほくろは、おそらく取れないんじゃないかと思います。
もぐさについては、「激安ほくろ除去できる「もぐさ」の正体とメリットデメリットを大調査」で詳しくご紹介しています。こちらもどうぞ。
もぐさは、ほくろの上にもぐさを置いて、ほくろを焼き切ることで除去する仕組みです。
平べったいほくろは、皮膚にもぐさの熱が直接伝わって火傷してしまうので、取るのがなかなか難しいとのこと。
なので、唇のほくろも、膨らみがないものは取れないんじゃないかなぁと思っております。
(もぐさの口コミを見ていても、膨らみのないほくろを取ろうとしたら、やけどしてしまったというものがありました。)
カソーダ
カソーダの場合、膨らんでいるほくろは「膨らみだけ」取れる。
また、平べったいほくろは、ほくろによって取れる可能性があると思います。
カソーダについて、詳しくは「ほくろ除去クリームの「カソーダ」を暴く!本当に取れるの?」でご覧ください。
カソーダでほくろが取れる理屈は、カソーダに入っている重曹(重炭酸ナトリウム)が、皮膚を溶かしてほくろの細胞も取るという感じ。
「ほくろによって取れる」と書いたのは、ほくろって、ほくろの細胞がある場所が違うので、ぜんぶがぜんぶ取れる訳ではないと思うんですよね。
これも「カソーダの記事」にまとめていますので、よければ読んでみてください。
精油ジェル
精油ジェル(ウバイ精油膏、漢方烏梅膏のジェルバージョン)も、膨らんでいるほくろは「膨らみだけ」取れる。
そして、平べったいほくろは、ほくろによって取れる可能性があると思います。
精油ジェルについては、「精油ジェルでのほくろ除去とはどんなもの?」でご紹介しています。
精油ジェルも、配合されている成分が皮膚を溶かし、ほくろ除去ができるという仕組み。
ただ、精油ジェルにはどんな成分が入っているか?は書かれていないので、実際にどんなほくろなら取れるのかがハッキリしませんでした。
なので、「正直実際に使ってみないと分からない」というのが現状です。
唇のほくろを予防する方法
紫外線対策
唇にほくろを作りたくないのであれば、とにかく紫外線対策を徹底することが大切です。
具体的には、
- UVカット機能のあるリップクリームを塗る
- 帽子をかぶる
- 日陰に入る
など。
刺激をさける
唇をさわる、皮をめくるなどの刺激をさけるのも、予防法のひとつです。
もし今唇をさわるクセがあるなら、意識してやめる、くらいしか対策はなさそうですね。